そもそもミニコミって何?
ミニコミの目的
ご参考までに、私の体験を
そもそもミニコミって何?
ミニコミという言葉は、マスコミ(マス・コミュニケーション)に対する言葉として使われます。私は研究者ではありませんので、言葉に定義があるのかどうかは知りません。一般論でいえば、商業目的でなく(商業目的ならば、ある程度以上の規模に拡大せざるを得ない)、マスコミとは別の手段によって流通し、部数は多くても数千部までで、数部というものも含まれる、という感じでしょうか。
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ミニコミの目的
ミニコミをつくる目的はさまざまです。個人の考えをまとめて友人・知人に向けて発行するものもあれば、ボランティア団体などが活動の記録として残すもの、文章サークルの同人誌、市民運動団体の会報、趣味の集まりで意見交換をする媒体、タウン誌、家族新聞、絵手紙……と、表現方法も、規模も、読者との関係もそれぞれです。
 それらの共通点を力づくであげるとすれば、〈コミュニケーション〉と〈情報・体験・思想の共有〉という、二つの面があると考えます。

 コミュニケーションというのは、発行者個人と読者、あるいはサークルなどの集団の構成者どうしのつながりを深める手段ということです。「私はこういうことを考えている」「あの人の考えはこうなんだ」と互いに知ることによって、お互いの関係は親密になる。そこから新しい関係も生まれてきます。日頃は疎遠な人とも年賀状のやりとりをしているのは、コミュニケーションを絶やしたくないからでしょう。その発展形として、ミニコミという形態があると考えるのです。

 〈情報・体験・思想の共有〉というのは、一つは市民運動などが活動報告、今後の予定を会員に知らせるケースで、いわゆる会報です。もう一つは、活動した内容をより広く、より多くの人に知らせるために、印刷物にして普及するというケースです。ボランティア団体でいえば、日常の活動を構成員に知らせるもの(いわゆる会報)と、その団体が行った活動の記録をまとめて出版したもの、という違いになります。阪神・淡路大震災の後には、現地でボランティア活動を行った多くの団体が、現場の活動やその後の報告を冊子にまとめました。これなどは、これも、現場の体験を現場にいなかった人に伝え、共有するという意味で、後者の意味でのミニコミになると思います。
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ご参考までに、私の体験を
社会人になったばかりのころ、学生時代の友人たちとのつながりを持ちたいという理由で、互いの近況報告や詩などの作品、体験文を乗せた、B5判数ページのものをコピーでつくり、数人の友達に郵送していました。
 やがて、文章を書きたい仲間とともに、A5判(148ミリ×210ミリ)、中綴じ、40〜80ページの投稿誌を創刊しました。2カ月に1回、100部前後をつくって40人ほどの購読者に送っています。(投稿誌『言わせろ』。)
 また、以前の勤務先で、最近手がけた仕事や社内の動きをおもしろおかしく綴ったニュースをはがきにコピーして、百数十件の取引先に毎月送っていました。
 それにならって、現在、自分の仕事の近況をまとめた文章を、「私製メールマガジン」と称して、友達や取引先の約50件に電子メールで送っています(月刊ウメザワ)。
 このほか、会員として参加した投稿誌が2、3あり、市民運動の会報も現在は2つ受け取っています。

 私の場合は、数部の媒体の発行者になったこともあり、数百人以上に向けた会報の読者にもなっています。どれもこれも、何十万の読者を対象とした週刊誌や、百万部発行の新聞とはまったく異なり、限られた数の読者のための情報やイベントを載せた、より身近で役に立ち、参考にもなり、肩肘を張らないで読める媒体です。
 マスコミにはマスコミの役割がありますが、マスコミでは取り上げられない部分をフォローし、より身近なところから強く訴えてくるのがミニコミという媒体の特徴だと、私は実感しています。
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