イルカ好きのためのサークル イルカネットの会報より抜粋
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江の島水族館イルカトレーナーインタビュー

アクアリウム Aquarium〜水族館

このコーナーでは水族館関係の記事を連載しています。イルカと一緒にお仕事をするひとたちのお話、イベント等の情報満載です。

●江の島水族館

都内から、小田急線で1時間あまり。片瀬江の島駅を出て、50歩ほど歩けば、目の前に広がる、湘南の広〜い海!
「ザザーン」と波の音が、心地良い海岸通り沿いに、江の島水族館があります。

●江の島水族館の人気者 ミナミゾウアザラシの『みなぞう君』

 江の島水族館は、なんと昭和29年にスタートした、とっても歴史ある施設です。その中のマリンランド・・・イルカプールは、昭和32年に誕生、日本で最初のもの。現在26頭のイルカ&クジラ(バンドウイルカ、カマイルカ、オキゴンドウ、ハナゴンドウ))が飼育されています。ハナゴンドウの「ヨンちゃん」は、ここのプールでの生活が、もう37年目。人間でいうなら80歳になるのですが、ショーでは元気にダンスを踊ってみせてくれます。
 1号館水族館、2号館マリンランド、3号館海の動物園の、3施設で構成された、江の島水族館。丸1日、楽しめるアクア・ミュージアムです。目の前で泳ぐイルカたちとふれあえるマリンランドだけではなく、3号館では、アシカ・オタリア・ラッコ・アザラシのショーが行われ、バケツを抱えるミナミゾウアザラシ、「みなぞう君」が大人気。(みなぞう君、まだ子供ですが、体長3メートル体重1400キロと、びっくりする大きさ)
 1号館に足を踏み入れると、カラフルな熱帯魚が迎えてくれます。中央にあるのがモナコ水槽。これは、最も自然に近い状態を再現しようと、非常に時間をかけて創られた稀少な水槽です。
 ヨーロッパを感じさせる、高い天井の館内で、ゆうゆうと泳ぐウミガメ、湘南に生息する魚たちを眺めたら2階へ。そこは別世界。ぐるりと見渡せば色とりどりのクラゲ。ふわふわと自分も海を浮遊している気分にひたれます。


●トレーナーさんに聞け!飼育技術課・学芸員飼育技師 唐亀 正直さん

夏休みの準備で、大忙しのところを突撃、お話しをうかがったのは、トレーナー歴8年の、唐亀さん。ゆったりとした口調で、暖かい人柄が感じられる素敵な方でした。(実はトレーナーさんの中で1番、お祭り人間なのだとか・・・)

●オサカナ専門家!?

 唐亀さんは、子供の頃からお魚が大好きで、大学時代に水産学を専攻。だから、お魚に関しては、膨大な知識を持っていたのですが、イルカについては水族館に入るまで、まったく知らなかったとか。
 トレーナーとして仕事を始めてから、イルカにどんどん夢中になり、今では、この水族館にいる26頭のイルカのことすべてを理解しています。
 唐亀さんが、まずイルカについて調べたのは、図鑑に載っているような、初歩的な部分から。つまりイルカのからだの仕組や、生態など、とても基本的なこコト。でも、そういった知識が確実に頭に入っていなくては、上手にイルカとつき合っていけないんですね。
 それと、もうひとつ大切なのが『学習心理学』という分野。人間も含めて、動物全般の行動と心理に関する、重要なセオリーです。イルカに新しい遊びを覚えてもらったり、イイ関係を保ためにも、必須科目。トレーナーになりたい人、ドゥー・ユア・ベスト!
 さて、いよいよイルカと実際にふれあう、コミュニュケーション、トレーニングのお話しです。

●なんと言っても!

 水族館で、一番大事なのは、皆さん何だと思いますか? 答えは、「健康管理」。ナ〜ンだって感じかもしれませんが、想像以上、気を使うものなんです。イルカは、ちょっとくらい、ケガしたり具合が悪くても我慢してしまうから、人間がいつもチェックしていてあげないと、取り返しのつかない事態になってしまいます。江の島水族館では、イルカに苦しい思いをさせないためにも、彼らが自主的に体勢を変えて、いやがらず血を採らせてくれるように訓練しています。唐亀さんも、イルカが病気になったときが一番つらいとおっしゃっていました。


●GOOD NEWS

 唐亀さんが、最高にうれしい! と感じるのは、イルカが難しい遊びを覚えてくれたときだそうです、簡単な遊びなら3回くらいで覚えるのですが、難しいと、半年もかかるとのこと。楽しいことが大好きなイルカたち、ごはんが欲しいからではなく、人間と遊びながらショーを作っていく訳なんですね。イルカとの間のサインは、40以上。それ以外にも声をかけ、なでたりしたりと様々な形で、ふれあいを多く保ことがポイント。イルカも1頭1頭、陽気なコ、おとなしいコと、性格が違うので、それぞれにあったトレーニング法を選ばなくてはいけないということです。

●ひとこと
 毎日、イルカと共に過ごしている唐亀さん。最後にトレーナーを夢見る人へのメッセージをいただきました。
『「かわい〜」というだけではなく、イルカ全体を観てもらいたいし、1頭あたり10キロ以上のごはんを自分で用意しなくてはなりません。イルカは共に働いている「同僚」と考えていますから・・・。また、トレーナーになるには、学術書を読むために、英語の勉強も必要になってきますね』

直撃インタビュー5分後に始まるショーに備えて、ダッシュでプールへ向かった唐亀さん。素早くポジションに着いて、きびきびとイルカにサインを送っていました。お忙しいところ、どうもありがとうございました!

●アクセス

江の島水族館
【開館時間】9時30分〜17時30分
     (11月〜3月20日は17時まで)
【休館日】 12月31日
【入館料】 大人(中学生以上)1800円、小学  
      生800円、幼児500円。(消費税別)
【アクセス】新宿発、小田急線で約1時間。
      片瀬江の島駅より徒歩3分。
       又はJR鎌倉駅から江の電で20分。
【駐車場】 なし(付近に有料駐車場あり)
【所在地】 〒251-0035 
      神奈川県藤沢市片瀬海岸2-17-25
【電話】  0466-22-8111

●はみだし情報

 おみやげやさんも楽しめます。海の生物たちの愛らしいマスコット、みなぞう君のマグネット、くらげをモチーフにした小物・・・と、あれもこれも欲し〜い!
 時間があったら、江の島まで行ってみるのも! 新鮮な海産物を食べさせてくれるレストラン、貝で作られたアクセサリーや、メチャメチャかわいいグッズを売っているお店がいっぱいです。(ライター K.O)


これらの記事は1997年〜1998年に発行されたイルカネット会報誌の
記事を編纂したものです。電話番号や住所、水族館の営業情報など
は当時のものです。ご注意ください。

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