ネットでの情報発信の惜しいところ
そこで提案します
絵本を手づくりする
つかい道あれこれ

ネットでの情報発信の惜しいところ
ネットサーフィンをしていると、育児日記や旅行記など、個人の身辺雑記を記したホームページがたくさんあるのに驚かされます。また、オピニオンというか、自分の考えや主張を展開するページ、意見の書き込みが可能な電子掲示板なども無数にあります。
 いまや、ごくごく普通に生活している人々が、より多くの人に向けて話題を提供したり、意見を述べるのは、めずらしいことではありません。規模は小さいとはいえ、ごく普通に生活している人たちの意見を集めたミニコミを発行している者としては、とてもいいことだなと感じています。

 ただ、惜しいのは、その多くがインターネット上で完結していることなのです。
 ホームページや掲示板は、パソコンさえあれば気軽に読んだり書き込んだりできるという利点は確かにあります。でも、こういう時代であっても、パソコンが扱えない、インターネットは使えないという人は存在します。こういう人たちに、せっかく記した文章を伝えることができないのは、もったいないことです。
 また、いろいろと書きたい、残しておきたいことはあるけど、ホームページをつくる技術がないという人もたくさんいるでしょう。そんな理由で、個人の記録が他の人の目にふれないまま埋もれていくのは、これまた惜しいことです。
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そこで提案します
 育児日記や旅行記などの身辺雑記も、印刷物として残してみませんか。

 印刷物、というと大げさですが、実際には、家庭用のパソコン(ワープロ)のプリンタで刷り出したものをホチキスで止めて製本すれば、立派なものです。複数枚プリントするのは、それほど手間ではありません。ワープロやパソコンが不得手であれば、手書き原稿をコピーして増やすという手もあります。
 また、製本にしても、ホチキスで止める以外に、文房具屋で手に入るクリアファイルに差し込む、バインダーに綴じる、市販の製本キットを利用するなど、いろいろな方法があります。表紙にOHPシートを使って、1ページが透けて見えるようにするのも面白いでしょう。
 こうして、印刷物の形にしておけば、以下のような利点があります。

●いつでもサッと取り出して見ることができます。
  → ビデオを見ようとしたら、ビデオデッキとテレビがあるところで、それなりの時間があるときにしか見られませんが、アルバムなら気軽に取り出して、パラパラと見ることができます。それと同じことです。

●機械操作に慣れない人でも読めます。
  → パソコンが使えない人にも見てもらうことができます。

●郵送したり、初対面の相手に名刺代わりに渡すこともできます。

●目に見える形で残しておくことができます。
  → パソコンのハード・ソフト、インターネット環境がどのように変化しても、印刷物は印刷物として手元に残ります。それこそ子どもでも、お年寄りでも見られる形で。

 ホームページなどの電子情報は、この先30年後、50年後も残っているかといえば、私は疑問に思います。でも、印刷物ならば、紙の変色などはあるとしても、そのくらいの期間は充分に残せるでしょう。記録性、保管性で考えれば、印刷物は優れモノだと思うのですが、いかがでしょうか。
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絵本を手づくりする
私には娘がいますが、彼女が4歳のころのある日、何枚か絵を描いて、それを見せながらお話しをしました。ぼくはその絵を絵本に仕上げました。
 手順は、まず絵をスキャナで読みとり、画像ソフトで汚れなどをとって、組版ソフト(QuarkXPressという業務用ソフト)で体裁を整えます。それをカラープリンタで印刷して、近所のOAサービスセンターで製本してもらいました。(枚数が多く、ホチキスが通らなかったからです)こうして3部つくり、うちに1部残して、私と妻の実家に1部ずつ贈りました。またその後、1ページずつのりで貼り合わせ、クリアフォルダを切ったものを表紙代わりに両面テープで留めて、製本テープで仕上げたものも1部つくりました。
 なにぶん子どものものなので、ひらがなは書き誤っているし、絵も稚拙です。でも、仕上がった絵本は、家族の大切な思い出の一つとして、アルバムの写真の一コマに勝るとも劣らないものだと、我ながら満足しています。
 ちなみに、絵本をつくるのに要した費用は、製本代が3部で1200円、用紙やプリンタのインクなど合わせても3000円程度でした。
 最近では、パソコンやスキャナ、デジカメ、プリンタなどがある家庭も少なくありません。それなりの設備と技術があれば、この程度のものは誰でもできます。組版ソフトがなくても、Wordや一太郎などのソフトで同様な作業は充分にできます。

 また、いま考えているのは、これまであちこちのミニコミに書いてきた私自身の文章をまとめることです。ずっとワープロ・パソコンを使っているので、だいたいはデータが残っています。それをフロッピーにまとめて、リストと自信作何本かだけ刷り出して、刷り出したものにフロッピーを添えてホチキスか何かで製本しようと考えています。これなら、費用をあまりかけないで「作品集」がつくれます。
 
 
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つかい道あれこれ
まずは日常の記録、家庭の記録を残してみてはいかがでしょうか。その全部をプリントしなくてもいい。「あの人に見せたい」「あげたい」と思ったものを、必要部数だけプリントすればよいのです。
 ビデオに残すのも、ホームページ化するのも楽しいことです。でも、印刷物には印刷物の良さがあります。その良さを、みなさんに知っていただきたいと、強く思うのです。

◎実家で過ごした夏休みの記録を冊子にして、おじいちゃんおばあちゃんにプレゼントする。

◎育児日記をご両親に贈る。また手元にも残しておいて、いずれ子どもにも読んでもらう。

◎あなたの旅行記を、同じ趣味を持つ仲間に読んでもらう。

◎自己紹介をするときに、自分の主張をまとめた冊子を渡して自分をより深く知ってもらう。

◎絵や写真が趣味ならば、作品集の形で残しておく。

 ……いかがでしょうか。さまざまなアイデアがあり、使い道もいろいろと考えられるのではないでしょうか。
 どれも紙に刷られた印刷物ならではの楽しみ方です。
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