プロの文筆家は、目的をもって文章を書きます。
大ざっぱにいえば、小説家は芸術作品として文章を書き、記者は読者に伝えるべき事象を文章にまとめ、エッセイストは独自の視点で社会の現象を斬るために文章を書きます。
では、プロでない人が自分史を書く目的は何でしょうか。
それは、作者自身の生きてきた歩みを記録として残すこと、あるいはその人の考え方や思想の変化を記録することです。
この世の中に一人しかいないその人がどんな生活をしてきたのか。節目ごとにどういう判断をしたのか。どんなことに喜びを見出し、悲しみを抱き、怒りを覚えたのか。どういう生活ぶりをして、何を考えてきたのか。そういったもろもろを記録するのが、自分史の目的だと、私は考えています。 |